Jリーグは各クラブが経営困難に陥らないよう、毎年の収支を公表させ、健全経営に気を配っています。

サッカーのJリーグが経営困難なのは本当?

日本サッカー界のトップであるJリーグはJ1からJ3まで拡大し、クラブ数は50を数えるようになっています。これだけの数があると中には観客数が少なく、利益が少ないクラブもあるのが現実です。Jリーグは各クラブが経営困難に陥らないよう、毎年の収支を公表させ、健全経営に気を配っています。3年連続で経営赤字を出すとJリーグにいられなくなる制度が代表例で、各クラブは懸命に黒字を出すべく努力を続けています。
プロサッカー界で最も起きてはいけないのがクラブの消滅です。かつて、Jリーグでは横浜フリューゲルスが経営困難に陥り、事実上消滅してしまいました。この出来事が教訓となり、Jリーグはクラブを消滅させないための様々な方策を取るようになっています。その基本が赤字を出させない事です。勝つためにいい選手を揃えようと給料を高くし過ぎて赤字に陥り、クラブが消滅するケースは世界各国で発生してきました。そこで、Jリーグは身の丈経営を掲げて各クラブの収支を監督し、その場しのぎの選手獲得で赤字を出さないよう、毎年セーフティネットを張り続けているのです。観客が少なく経営困難に見えるクラブでも、収支は赤字ではないのがJリーグの特徴です。潤沢な資金はないが赤字でもないため、いきなりクラブが消滅する事態は避けられており、現にフリューゲルス以来クラブ消滅は起きていません。
Jリーグの経営の問題点は、赤字ではなく黒字幅の少なさにあります。クラブの継続はフラットな収支でも可能です。しかし、黒字幅が大きくならないと莫大な資金力を誇る中国などの海外クラブに太刀打ちできなくなってしまいます。国内的には健全経営が出来ているが、国際的にはより大幅な黒字経営が求められている。Jリーグを巡る経営状況はそんな言葉で表現できるでしょう。
